スコアメーカーは、スキャナで印刷楽譜を取り込んだり、JPEGなどの画像形式の楽譜を認識できるだけでなく、 PDFの楽譜ファイルを直接認識することができます。 インターネット上には有料無料を問わず、PDF形式の電子楽譜が豊富にあります。その楽譜を直接認識できるので、スコアメーカーの利用範囲がますます広がります。 他社の楽譜作成ソフトで作成されてPDF形式に出力されたものも認識することができます。
PDF楽譜を認識する手順は、通常の画像ファイルを認識させるときと、多くの点で共通しています。 大きな違いは、複数ページの楽譜の場合です。 通常の画像ファイルではページごとに別々のファイルになっていることが前提で、ページ数分の画像ファイルを画像リストに登録します。 一方、PDF の場合、複数ページが1つのファイルになっていることを前提にしているので、登録するのは1つのPDFファイルです。 そして、登録後に何ページから何ページまでを認識させるという設定を行います。
その手順を、サンプルPDF ファイル「Ave verum corpus」で説明しましょう。
サイドバーの「ファイル」をクリックして、「開く」ダイアログボックスを表示して、
「Ave verum corpus」を開きます。
開くと、「ページの選択」ダイアログボックスが表示されます。
「ページの選択」ダイアログボックスで、1ページ目から5ページ目まで確認してみましょう。
このサンプルPDFファイルの場合、先頭から最後まで全てのページが楽譜ページなので、そのままOKボタンをクリックします。
サイドバーの「パート構成」をクリックして「パート構成」ステップに進みます。
サンプルPDFの場合、五線の構成は正しく認識されています。
Platinumの場合、パートテンプレートの機能があるため、ソプラノとアルトのパート名や音色なども自動的に左図のように認識されて設定されます。
Standard/Elementsの場合は、直接パート名を設定します。
サイドバーの「五線記号」をクリックして「五線記号」ステップへ進みます。
サンプルPDFの場合、記号や小節線は正しく認識されていますが、歌詞矩形(長方形)が演奏記号や小節番号にかかっているので、これを修正します。
歌詞矩形(長方形)の枠の上にマウスカーソルを移動すると、カーソルが矢印形状になり、枠が黄色で表示されます。
この状態で、マウスをドラッグして、枠が演奏記号や小節番号にかからないように調整します。
全ての歌詞矩形(長方形)の調整が終わったらサイドバーの「認識実行」をクリックして、認識を完了します。
他の楽譜作成ソフトでPDF 形式に出力した楽譜、あるいはインターネットなどから手に入れたPDF 形式の電子楽譜を既にお持ちの場合、 そのPDFファイルを画像リストに登録することで認識を行います。 基本的には、先のサンプルPDFの認識と同じ手順です。
サイドバーの「ファイル」をクリックして、「開く」ダイアログボックスを表示して、 認識させたいPDFファイルを登録します。
あるいは、Windows のエクスプローラーなどから、 PDFファイルを画像ウィンドウにドラッグすることでも登録できます。
「ページの選択」ダイアログボックスで認識するページを指定します。
PDFファイルを登録すると、「ページの選択」ダイアログボックスが表示されます。
先頭ページが表紙になっていたり、後半に歌詞などが掲載されたりして、五線のないページがある場合は、そのページを除外するために読み込み範囲の設定を行ってください。
PDFの認識方法を「強制的に画像認識」と「テキスト認識/画像認識を自動判別」から選択ができるようになっています。まずは「テキスト認識/画像認識を自動判別」にして認識してみてください。
これについては「PDF楽譜の2つのタイプ」で説明します。
読み込んだPDFがテキストとして認識されたか、画像として認識されたかを画面上の
キャプションバーで確認してください。
画像として認識された場合は、スキャナで取り込んだ場合や、画像ファイルを登録した場合のような
ページの入れ替えや
編集が行えます。
テキスト/ 画像に関係なく、これまで説明したように、パート構成、調号などの五線記号を確認/修正して、
サイドバーの「認識実行」クリックして認識を開始させます。
PDF楽譜の場合、五線のかすれなどによる誤認識は発生しにくいのですが、 例えば途中でパート編成が変わる楽譜の場合などでは、パートのつながりを「パート構成」ステップで正しく修正しておく必要があります。 ( パートの構成を作成モードで修正するのはとても大変です。)