スキャンした楽譜を認識実行すると、アンサンブルで演奏されるはずのパートが別の段落に分離していた。演奏を聴いてみて気付いたという経験をされた方も少なくないでしょう。
この原因の多くは、認識モードで「段落の設定」が正しくおこなわれていなかった、ということのようです。
つまり、認識時の「段落の設定」を正しくおこなうことで、この問題は解消される可能性が高いと思われますので、「段落設定」の操作はぜひ覚えておいてください。
また、認識モードからやり直すのが面倒な場合は、楽譜作成モードでも修正することができますので、2種類の修正方法を紹介します。
認識モードで、段落の設定をやり直す
スコアメーカーZEROシリーズ、スコアメーカー(Ver.11)シリーズでは、[段落設定ウィンドウ]や[パート構成ウィンドウ]は使わず、より直観的な操作で設定を行うことができます。詳しい操作手順については以下をご覧ください。
・「パート構成」での段の変更方法は?
・「パート構成」での譜表の変更方法は?
・「パート構成」でのパートの変更方法は?
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認識モードへ戻り、保存されている認識プロジェクトを開きます。プロジェクトが保存されていない場合は、スキャンからやり直します。
[段落設定ウィンドウ]と、[パート構成ウィンドウ]を表示させておいてください。
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上の楽譜は、[段落設定ウィンドウ]が下図のようになっていた場合の認識結果です。
スキャンした楽譜は、ピアノソロなので、パートは1つで、譜表は大譜表です。認識結果と元の楽譜との違いを知ることから始めましょう。
確認方法は、
パートの確認
上図 a のようにパートをクリックすると、楽譜の対応するパートを囲んで表示します。ピアノ譜なのに右手の部分しか囲まれていません。別のパート(ピンク色のPart2)をクリックすると、正しく右手・左手が囲まれます。
すべての段落でこのように設定されていないと、正しく認識されません。
段落の境界の確認
b の■は段落の境界です。この場合は、「ピアノパートの左手と右手を、別の段落として区切る」ことを意味します。
パート構成の確認
[パート構成ウィンドウ]では、c のように、パートが2つあり、認識されるパート構成が譜表でも表示されています。歌+ピアノ伴奏のような構成になってしまっています。
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間違いを修正します。まず、b の段落の境界を修正します。■をクリックし、■にします。これで段落の境界はなくなり、この段落には「単独譜が2パートある」状態です。
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2つの単独譜を、1つの大譜表に修正します。
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これで修正は完了です。[段落設定ウィンドウ]と、[パート構成ウィンドウ]も、正しく1つの大譜表になりました。
すべての段落を修正したら、あとは、認識実行を行ってください。
楽譜作成モードで、楽譜データを修正する
段落設定を行わなかった楽譜データは、段落ごとに異なったパート構成になり、その結果、段落にはダミーのパートがマスク(非表示)されて存在しています。
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まず、マスクされたパートを表示します。[画面]メニューの[マスク記号]にチェックを入れます。マスクされていたパートが淡いグレーで表示されます。
マスクされた箇所のマスクを解除するのもよいでしょう。
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マスクされたパートが重なっているので、ドラッグして見やすくします。
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修正プランを考えます。
段落3からは正しいので、段落1のPart2(大譜表)に、分離されてしまったピアノの右手部分と、左手部分を集めます。
段落2が空になるので、削除します。
Part1は不要なので、削除します。
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小節をコピーして貼り付けたり、音符ごとドラッグして移動して、編集します。
段落2が空になったので、小節の削除をします。
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Part1は不要なパートなので、削除します。
必要に応じて、レイアウトをしてください。
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更新日時:2015年11月9日 /
文書番号:00040 ]